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脊椎・脊髄・神経外科外来

診療科・部門紹介

『読売新聞』2010年12月5日掲載

農家で高齢の患者多い

盛岡友愛病院の脊椎・脊髄・神経外科部長の乗上啓医師(52)に治療法について聞いた。


農家が多い岩手では、無理な姿勢での仕事が続くため、腰や首の病気が多い。
特に高齢者の患者が多く、年齢とともに骨や靱帯が変形するなどして脊髄や神経を圧迫し発症する。
腰は髄核が出て神経を圧迫する椎間板ヘルニア、脊柱管が狭くなって神経が圧迫される腰部脊柱管狭窄症。首は靱帯や椎間板が脊髄を圧迫する脊髄症、神経根を圧迫する神経根症などが代表的だ。
痛みや手、脚のしびれのほか、排尿・排便障害などがあり、重症化することもあるので、MRI検査など専門医による早期の診察が重要だ。
歩きにくいなどの症状が出たら、早めに相談して欲しい。首の場合は、ストレスや姿勢不良などによる肩こりも多い。
治療法は、コルセット着用したり、鎮痛剤を服用したりするほか、痛みや炎症を和らげる注射を使い、軽減していく。それでも改善せず、日常生活に支障をきたす際に、手術を考慮する。
最近は、特に、骨粗しょう症による脊柱圧迫骨折を起こす高齢女性が非常に多い。
普段からカルシウムを取り、転ばないように注意するのが予防法だ。
発症したら、骨を壊す作用を抑制する薬を使うなどで治療する。ホルモンバランスが崩れる更年期以降の女性には、専門医の定期的な診察を勧めている。
薬の使用や手術など、治療方針は症状だけでなく、医師ごとの判断でも大きく変わる。当院では、顕微鏡を使うなど傷が小さく体に負担が少ない手術を行うようにしている。
手術するのは患者の10%ほどだが、症状や診断の根拠を詳しく患者に説明し、患者の環境に応じて治療方針を決めることが多い。
手術後の患者には、「しおり」を渡して説明している。「中腰の姿勢にならない」「あぐらや横すわりを避ける」など姿勢と、運動の仕方、生活上の注意点を意識してもらうためだ。
腰、首は、頭や上半身や体幹を支えるため、元々負担は大きい。太りすぎや、背中や腹の筋力低下に注意し、無理のない姿勢を保つことが治療や予防の原則だ。

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